スペシャル

キャストコメント

等身大のリアルなキャラクターたちの姿を描いている「true tears」。
このキャラクターたちに命を吹き込んでいるのが、それぞれの声を当てている声優さんたちだ。
今回は仲上眞一郎役の石井真さん、石動乃絵役の高垣彩陽さん、湯浅比呂美役の名塚佳織さん、安藤愛子役の井口裕香さん、野伏三代吉役の吉野裕行さんに、キャラクターの印象や演ずる上で注意していることをうかがってみた。

石井真さん、吉野裕行さん
名塚佳織さん、高垣彩陽さん、井口裕香さん

Q1. 作品の第一印象を教えてください。

仲上 眞一郎(なかがみ しんいちろう)役/石井真(以下・石井):
静かな作品だという印象ですね。そして人間同士の関係を大切にしている作品だな、と思いました。監督は地味な作品だと仰っていたんですが、その地味さがすごく味になっているなと思います。

石動 乃絵(いするぎ のえ)役/高垣彩陽(以下・高垣):
オーディションのときには、セリフがきれいでとても人間的な作品だなぁと思いましたね。日本的でノスタルジックな感じのする、現代感のない独特の世界観と空気感のある作品です。めずらしい作品だと思うので緊張します。

湯浅 比呂美(ゆあさ ひろみ)役/名塚佳織(以下・名塚):
アニメーションなのに大人の雰囲気を感じる作品だな、と思いました。絵がきれいなので、絵に任せて乗っかる気持ちよさを、久しぶりに味わうことのできる作品です。

安藤 愛子(あんどう あいこ)役/井口裕香(以下・井口):
アニメっぽくないというか、すごくナチュラルな作品だなと思いました。オーディションのときも「作り込まないで、楽に演技してください」と言われていて、今まで私がやってきた作品の中ではとても新鮮な作品だなと思いました。

野伏 三代吉(のぶせ みよきち)役/吉野裕行(以下・吉野):
抽象的かも知れませんが、最初に受けた印象はとても音のない世界だな、というものでした。東京みたいに騒がしい所じゃなく、ホントに静かな世界で好感が持てる作品だな、と思いました。

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Q2. ご自身が演じられるキャラクターの印象は?

石井: 地味ですね(笑)。絵本作家になることに憧れている少年なのですが、日夜夢に向かって励む姿には好感が持てました。気持ちをなかなか表に出せないところは特に共感できますね。

高垣: 高校生なのに子供っぽい、不思議な女の子だなあというのが第一印象でした。最初はわいわいきゃっきゃと賑やかなキャラクターかと思っていたんですが、実際は頑固で自分の興味があるもの以外はどうでもいい、主観的で整合性がないけれど純粋で、実に子供らしいと思います。とても魅力的な子です。

名塚: 比呂美は容姿も頭もよく、スポーツもできる抜群の女の子ですね。乃絵とは逆に社交的というか、周りを見て自分の立ち位置を決めて他人に接することができるという、一見完璧な女の子です。でも私は、彼女がみんなの前では完璧に務める反面、人間らしい一面がオーディションのセリフでも見えたりしたので、そういうところにはホッとしました。やっぱり完璧な人間っていないと思うから、これから先、比呂美の弱い部分を演じ分けていければいいなと思っています。

井口: 愛ちゃんはみんなよりひとつ年上で、眞一郎の相談を聞いたりもするので、お姉さん的なのかなあと思ってました。でも彼女は彼女なりに、もやもやしたところがあるみたいですね。

吉野: 主人公の友達ですから、ポジションとしてはわかりやすいんですけど、作品が作品ですから思ったよりは派手ではないな、と。すごく明るくて愛ちゃんに対しての愛情もはっきりしてるけど、必要以上の派手さはない男です。

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Q3. 演じる上での心がけや注意しているポイントは?

石井: 会話をする際のお互いの距離感は大事ですが、そこに静かな場所という要素が加わるので、常に自分のいる場所の空気を感じていられるように心がけています。要注意なのは僕が普段オーバーリアクションなこと。前々から知っていましたが、この作品を通じてより実感しました。

高垣: 乃絵らしい伸び伸びした演技をすることです。でも私はとても緊張してしまう性格なので、肩の力を抜いてくださいとご指導いただくことがあります。絵がリアルなお芝居をしてくれているので、そこに声を乗せるときにやりすぎて虚像になってしまわないよう、できるだけ自然なトーンでしゃべるように気をつけています。

名塚: このアニメでは、しゃべっている内容や場所によって口の形を描き分けているので、小さく開けているのか、大きく縦に開けているのか意識して、その口の形に合わせてしゃべるように気を付けています。静かな作品なので、息のひとつひとつが乗ってしまうため集中力が必要な作品だと思いますね。

井口: 作りすぎずに自然な演技をするように心がけています。これって一番基本的なことだと思うんですけど、私にとっては難しくて、肩の力を抜いてすっと演技に入っていけるよう気をつけています。

吉野: 絵が出来上がっているので、演じていてブレーキがかかるんですよね。テンションが上がらないというわけではなく、必要以上に派手にやろうとする気が起きない。加減をしなきゃいけないというか、そうさせられてしまうというか。なので細かい調整に気を使いますね。後は若さを出すことでしょうか?(笑) 派手にやれる作品だと振り幅が大きいだけチャレンジしやすいけど、そうじゃない作品なので加減が難しい。落ち着いているのと暗いのとは違うし、明るいのとバカなのは違うので。その辺の加減が難しいですね。

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Q4. 作品の見所、お薦めのポイントは?

石井: 作品の見所はやっぱり人間関係だと思います。毎度移り変わっていくであろう登場人物たちの気持ち。そんな登場人物たちの関わり合いを見てほしいですね。

高垣: 青春群像劇なので、特定のキャラクターやシーンではなく、登場人物一人一人を見ていただければと思います。それと、世界観というか、空気感が独特な作品だと思うのでそこも楽しんでいただければ。それと乃絵的には「あぶらむしの歌」を聞いていただきたいですね(笑)。実はこの歌は、歌詞にも色々なバージョンがあるんです。なんとなく口ずさみやすい鼻歌みたいな歌なので、皆さんにも覚えていただきたいです(笑)。

名塚: 私がいま楽しみにしているのは、これから曲や効果音がどういうふうに乗ってくるかですね。とても静かな作品で、誰もしゃべらないカットが続いたりすることも多いので、そういうところが監督達の手でどう作り上げられるのかが楽しみです。

井口: 絵がきれいなので、キャラクターの細かい動きまで楽しんでいただけるのではないかと思います。あと愛子は今川焼きを焼いているときはいつもビールケースの上に乗っています。お姉ちゃんぶってるけど、実はちっちゃくって可愛いんです。眞一郎達と並ぶと頭ひとつ以上小さかったりします。そう言うところも見ていただければうれしいですね。

吉野: 舞台が富山だったり、今川焼き屋あいちゃんのモデルになる店があることを知ってましたか? 僕は知ってました(笑)。・・・スイマセン。先ほどスタッフの方が言ってました。つまり本当にある世界がアニメーションで表現されているということが注目点です。その世界観とか空気感を楽しんでいただければと思います。

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Q5. 眞一郎、三代吉、乃絵、比呂美、愛子の中で、付き合ってみたい異性のキャラを教えてください。

石井: 愛ちゃんでしょうか。比呂美は自分の立ち位置をしっかり決めちゃってるので(付き合うのが)難しいんですよ。乃絵は……なんでああいう性格なのか、これからわかっていくんでしょうけど、でもやっぱり難しいですよね(笑)。

高垣: 話が進んで乃絵が眞一郎と親しくなるなら、私自身も眞一郎に惹かれるようになると思うんですが、今のところ眞一郎は乃絵にとってそういう存在ではないので(笑)。だからいまは三代吉が楽しそうでいいかな。私、女子校だったので、男子のいる感じがよくわからないんですけど、ああいう人がいたらムードメーカーになってくれて楽しいでしょうね。でも、本命は2話から登場する人です(笑)。

名塚: 付き合いたいかどうかということであれば、眞一郎も三代吉もタイプではないです(笑)。私は眞一郎のお父さんみたいな渋い方が好きですね。ただ友達としてなら、三代吉タイプの方が楽しく付き合えるかな。いっしょにバカやって楽しいと思います。

井口: 三代吉です。楽しい方がいいですよね。でも個人的には、三代吉に腹黒さがあるといいです。笑顔の裏で「何だよ」って言ってて欲しい。ちょっと悪い感じで。ブラックな三代吉だったら完璧ですね(笑)。

吉野: いません!(笑) だってみんなタイプじゃないもん。僕の理想のタイプは派手なお姉さんなので。僕はこの作品に出てくるようなしっかり人たちではなく、もっとチャラチャラした人が好きなんです(笑)。

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Q6. 眞一郎のように、好きな人と一つ屋根の下で暮すことになったらどうしますか?

石井: うわずるんじゃないですか? 付き合ってるなら話は別でしょうけど、そうじゃないので何から何まで落ち着かないですよね。できれば避けたいです。

高垣: 想像できないです(笑)。でも別々に暮していたらわからないことにも気づくと思うので、それでもっと好きになったり、「あ、ここはダメだ」というところが出てくるかも知れないですね。

名塚: いっしょに住みたくないです(笑)。なんかこう、ワクワク感が減る気もするし。外で会えるから楽しいのかもしれないじゃないですか。あんまりいっしょに住みたいとは思わないですね。

井口: たまらないですね。意外とみんなが否定派だったのが意外だったんですけど。ただ、そういう状況がずっと続くと、お兄ちゃんとか弟みたいに、好きな人よりももっと近い存在になっちゃうかも知れないですね。でも、いいと思います。グッときました(笑)。

吉野: めんどくさそうなので、家を出ると思います。ずっといっしょにいるようだったらカミさんですからね、親に紹介します。「俺の嫁だ」と。僕にとって、家に住むってことは結婚前提なんですよ。でないと僕はいっしょに住めませんから、きっと。

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Q7. 最後に、番組をご覧戴く皆さんにメッセージをお願いします。

石井: すごい活劇モノでもなく、スリルがあるわけでもなく、静かに流れていく作品なので、見ている人たちの清涼剤的なものとして、自然と浸透してもらえれば成功だと思います。お楽しみに。

高垣: どこか懐かしい空気感だったり、映像や言葉がとても丁寧に繊細に美しく描かれている作品です。人間の内面やきれい事だけではない心情も細かく描かれているので、幅広い層の方々に見ていただけるんじゃないかと思います。私個人としましては、ナチュラルなお芝居をすることがずっと課題だったので、乃絵の純粋な世界観を壊さないように乃絵を生きたいと思います。

名塚: 素朴な世界観の中で描かれる人間ドラマを楽しんでいただければと思います。

井口: 人間の心の中が描かれている作品なので、そこをぜひ見ていただければと思います。

吉野: 僕個人としては、乃絵が最初に言った「私……涙、あげちゃったから」という言葉の意味が知りたいですね。ぜひ、最後まで見てください。

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